今日のレッスンは受動態の形の後ろにbyが来ないケースのお話です。
結構受動態を最初に習うときにbe動詞+過去分詞+by~というのを公式化して覚えている人が多いんですが、後ろに必ずbyが来るわけではないのです。
学生がよくやるミス
英語はアメリカで話されています。
English is spoken by America. (間違い)
English is spoken in America.(正しい)
上の英語ではbyではなくinが正しい形になります。Americaは「国」を表す言葉なので「アメリカ国内で」話されているという意味になりますね。ですからinが正解です。
byは「行為者」を表し、一般的には「人」が来ます。
間違いで多いものをもう一つ。
彼はみんなに知られています。
He is known by everyone.(間違い)
He is known to everyone.(正しい)
「人に知られている」と言いたい場合は「be known to~」という形を使います。toという前置詞は「到達」というのを表し「彼が知られているという状況が【みんなに到達している】」という意味です。
ちなみに「be known by~」という表現もあります。こちらは「~によって判断される(=be judged by)という意味になります。高校入試において開成・灘・早慶を始めとした大学附属校受験をする場合には覚えておいて損はないですけど、通常の試験問題ではまずこのbyは出題されません。
例文で確認(大体この例文が多いでしょう)
A man is known by the company he keeps.(人はもってる仲間によって判断できる)
※companyは「会社」以外に「仲間」という意味があります。会社って普通仲の良いもの通しで最初作りますね。その昔の英語の語源(ラテン語だったかな?)で「共にパンを食べる」という言葉から来ているそうです。
byを取らない受動態の熟語
byを取らないものは熟語として覚えてしまったほうが早いものが多いのでここにリスト化しておきます。中にはbyをとってもイイのだけど、多くはby以外をとるので基本は熟語として覚えてしまってください。前置詞の意味がわかるようになるとよりよいんだけどね。
Aランク(絶対に覚えておこう:中間期末/公立高校入試レベル、英検3級レベル)
- be surprised at~(~に驚く)
- be known to~(~に知られている)
- be interested in~(~に興味がある)
- be made from~(~から作られる)
- be made of~(~から作られる)
- be born in 場所 on 月日(生まれ)
例文で確認(どの例文も入試によく出るよ)
I was surprised at the news.(私はその知らせに驚いた)
He is known to everyone.(彼はみんなに知られている)
I’m interested in Japanese history.(私は日本の歴史に興味がある)
Cheese is made from milk.(チーズは牛乳から作られる)
This desk is made of wood.(この机は木からできている)
I was born in Saitama on June 29.(私は6月29日に埼玉で生まれた)
Bランク(差がつきます:私立高校入試レベル、英検準2級レベル)
- be covered with~(~で覆われている)
- be filled with~(~で満たされている)=be full of~(~でいっぱいだ)
- be pleased with~(~に喜ぶ)
- be safisfied with~(~に満足する)
- be crowed with~(~で混雑している)
- be known for~(~で有名だ)=be famous for~で置き換えできます。
- be known as~(~として知られている)*前後がイコール関係になります。
- be made into~(~に作り変えられる)
- be killed in~(~で死ぬ)
- be caught in a shower(にわか雨に合う)
- be moved[impressed] with~(~に感動する)*人に感動させられる場合はbyもOK
例文で確認
Mt. Fuji is covered with snow.(富士山は雪で覆われている)
This glass is filled with water.(このグラスは水で満たされている)
=This glass is full of water.
I‘m very pleased with her success.(私は彼女の成功に大変喜んでいる)
I’m satisfied with the result.(私はその結果に満足している)
The last train is crowed with many people.(終電は多くの人で混雑している)
He is known for a radio DJ(彼はラジオDJとして有名だ)
Kyoto is known as an old city.(京都は古都として知られている)
Milk is made into cheese.(牛乳はチーズに作り変えられる)
His son was killed in the accident.(彼の息子はその事故で亡くなった)
I was caught in a shower.(私はにわか雨にあった)
We are very moved with her story.(私たちは彼女のお話に大変感動した)
超頻出の紛らわしい表現「be made」3兄弟を確認しよう
受験生泣かせのbe made3兄弟(be made from / be made of / be made into)はすごく良くでるので違いをしっかりと確認しておきましょう。
ポイントは次の3点です
- be made fromは主語とfrom以下に「面影がありません」
- be made ofは主語とof以下に「面影があります」
- be made fromとbe made intoは書き換え関係にあります。矢印を意識しましょう。
fromは「起点」を表すので A from B ならばBを起点にAが出来上がるわけです。ですから矢印関係が必ずA←Bになるはずです。
intoは「変化」を表すので A into B ならAがBに変化するので矢印関係はA→Bになりますね。
この表現はよくfromは原料, ofは材料なんて正統派な覚え方や「目で見て分からない」のがfromで「目で見て分かる」のがofなんて覚え方もあるのですが、上の覚え方「面影」っていう方が個人的にはわかりやすいかなって思います。
似ている親子って親と子に「あぁ、そっくり」っていう要素持ってますよね。子供には父親の面影があるって感じで使います。「机は木からできています」っていう文は机をみてすぐに木だなって判断できるわけですから面影がありますよね。「チーズは牛乳から作られます」っていう文はチーズをみて牛乳だ!!って叫ぶ奴まずいませんよね。面影がないんですよ。
いろいろとめんどくさいですけど、チマチマと覚えていってくださいね。